結晶構造解析特論(担当:井田)では主に回折理論の基礎についての講義をします。
大学院生命・応用化学専攻の学生を対象とした講義です。
講義予定(変更する場合があります)
1 ブラッグの法則
まず手始めに,ブラッグの法則について確認しておきたいと思います。
基本的な法則ですが,意外にちゃんと理解していない人も多いように思うのです。
この回の講義の参考資料,2020年4月24日 改訂,PDF, 約 850 kB
オンデマンド授業動画(前半)2020年7月14日 公開,MPEG-4, 102 MB
オンデマンド授業動画(後半)2020年7月14日 公開,MPEG-4, 80 MB
オンデマンド授業スライド 2020年7月14日 公開,PDF, 約 2.5 MB
2 運動学的回折理論
キーワード:運動学的回折理論,動力学的回折理論,構造因子
物質によってX線が散乱されるとはどういうことでしょうか?
構造因子が電子密度のフーリエ変換だとはどういう意味でしょうか?
この回の講義の参考資料,2020年4月29日 更新,PDF, 約 1.6 MB
オンデマンド授業スライド 2020年7月21日 公開,PDF, 約 8.6 MB
3 原子によるX線の散乱
キーワード:原子散乱因子,直交座標と球座標,分散効果
1つの原子はどのようにX線を散乱するでしょうか?
「分散効果」とは何でしょうか?
この回の講義の参考資料,2020年7月27日 改訂,PDF, 約 784 kB
分散効果には誤解されやすい面があるようです。「共鳴振動と強制振動についてアニメーションを使って解説したページ」も参考にしてください。
オンデマンド授業スライド 2020年7月28日 公開,PDF, 約 1.4 MB
4 結晶によるX線の散乱
キーワード:原子変位因子,結晶構造因子
結晶によるX線の回折について考えるときに気になることがあります。
それは,室温でも固体中の原子は振動運動をしているらしいということです。
室温付近での原子の運動はどのくらいの大きさでしょうか?
その効果はどのように考えたら良いでしょうか?
そして結晶はどのようにX線を散乱すると考えられるのでしょうか?
この回の講義の参考資料,2020年5月18日 改訂,PDF 約 828 kB
オンデマンド授業スライド,2020年8月3日 公開,PDF 約 980 kB
5 回折条件
キーワード:ラウエ関数,ラウエ条件,逆格子,ミラー指数,反射指数
結晶全体からの散乱は,特定の回折条件が満たされるときにしか現れません。
この回折条件とは,正確にはどのようなことでしょうか?
「逆格子」にはどういう意味があるでしょうか?
(hkl) 面と hkl 面,hkl 反射という表現には,どのような意味があり,どのように関係づけられるでしょう?
ブラッグの法則の中の「格子面」とは?
この回の講義の参考資料,2021年10月19日 更新,PDF 約 2.2 MB
オンデマンド授業スライド,2020年8月18日 公開,PDF 約 1.2 MB
6 微小な結晶からの回折
キーワード:粉末回折,ストークス・ウィルソンの理論,シェラーの式
完全な結晶は,無限の大きさを持っていなければならないはずですが, 現実の結晶は大きさが有限です。
特別に小さい(例えば 200 nm 以下程度の大きさの)結晶からの回折ピークは実際に幅が広がったものになります。
結晶の形や大きさと回折ピークの形状はどのように結びつけられるのでしょうか?
この回の講義の参考資料,2020年5月28日 更新,PDF 609 kB
フーリエ変換の解説 PDF 約533 kB
シェラーの式の使われ方にみられる混乱について PDF 624 kB
オンデマンド授業スライド,2020年8月25日 公開,PDF 919 kB
7 ひずんだ結晶からの回折
キーワード:構造欠陥,格子歪み(ひずみ),ウィリアムソン・ホール法,積層不整
現実の結晶は大きさが有限であるだけでなく,必ず不純物や構造の欠陥を含んでいます。 結晶が構造欠陥を含んでいたり歪んでいる場合にも回折ピークは幅が広がります。この問題は非常に複雑なので,あまり安易に考えない方が良いかもしれません。
ここでは比較的単純なモデルについてとりあげますが,かなり限定された場合にしか使えないかもしれないということには注意して下さい。
この回の講義の参考資料,2019年10月1日 改訂,PDF, 約 1.1 MB
参考資料の付録,2012年11月13日 改訂,PDF, 約 2.6 MB
2021 年 10 月 19 日